auの新料金「新auピタットプラン」が分かる解説&図解。月々1,980円の条件は?

2019年6月15日

auでは2019年10月1日から「新auピタットプランN」の提供を開始しました。

それに伴い、既存の「新auピタットプラン」は9月末で新規受付を終了。提供開始から4ヶ月ほどの短命プランとなってしまいました。

とはいえ名称に「N」が付いただけで、料金や内容はこれまでと同じ。唯一の変更点は、新しい2年契約の仕組みである「2年契約N」に対応したという点だけ。(詳しくは後述

ここでは「新auピタットプランN」の料金のしくみや疑問に思う点を分かりやすく解説していきます。料金シミュレーションもありますのでぜひ参考に!

2年契約Nとは?

「2年契約N」は電気通信事業法の改正に伴い、これまでの「2年契約」(縛り)を見直したもの。違約金の額などが緩和されています。(詳しくは後述します。)

新auピタットプランNとは?

新auピタットプランNはauで唯一の段階制の定額プランです。

段階制定額とは、利用した通信の量によって料金が「3段階」に変動するシステム。つまり「使った分だけ」の支払いなので無駄がない。というのが最大の特長です。

スマホ向け定額料金プランのひとつ

現在auで加入できる「スマホ向け」料金プランのラインナップは以下の通り。

auの料金プラン一覧
新auピタットプランN0~7GBまで通信量に応じて料金が変わる段階定額プラン。
auフラットプラン7プラスN最大7GBまでの定額プラン。
auフラットプラン20N最大20GBまでの定額プラン。
auフラットプラン25NetflixパックN最大25GBまでの定額プラン。Netflixの基本料金込み。
auデータMAXプランProデータ利用上限なしの使い放題プラン。ただしテザリング・データシェア等は20GBまでの上限あり。
auデータMAXプランNetflixパックデータ利用上限なしの使い放題プラン。ただしテザリング・データシェア等は2GBまでの上限あり。Netflixの基本料金込み。
新auピタットプランNのみ料金が変動する「段階定額制」。その他のプランは全て「完全定額制」となっていますね。

「使った分だけ」の料金体系

新auピタットプランは、データ通信の量によって料金が「3段階」に変動するシステムとなっています。(リニューアル前は5段階でした)

データ容量は最大7GBまで

新auピタットプランのデータ容量上限は7GBまで。7GBを超えると「速度制限」がかかり、月末まではネットやメールなど通信の速度が著しく低下します。

下図はピタットプランの料金イメージです。

「新auピタットプラン」の概要と2つの特長。「通信の量」で料金が5段階に変動、通話料・通信料・LTENETを一つにまとめた料金。

上図を見て疑問に思う方も多いのではないでしょうか?そう、価格が公式と異なってますね。しかし間違いではありません。

公式には「1,980円~」って表示されてるけど・・?

公式の表記は各割引を適用した料金になっています。

auの公式ページに記載の1人あたり1,980円~という価格は、「家族割プラス」や「auスマートバリュー」などの割引キャンペーンを適用した価格となっています。

後ほど詳しく解説しますね。

通話プランはどうなる?

定額の音声通話は「オプション」扱い

上で述べたように新auピタットプランには基本通話利用料(従量制:30秒で20円)があらかじめ含まれています。

かけ放題など「定額」の通話「オプション」扱いとなり、通常の料金にオプション料金を追加するという仕組みです。

オプション名内容追加料金
新auピタットプランの通話オプション
※表示は全て税抜き
未加入(オプションなし)30秒につき20円ファミリー割引グループ間の通話は無料なし
「通話定額ライト」オプション
旧スーパーカケホに相当
5分以内の通話はかけ放題5分を超過すると30秒につき20円キャンペーンにより12ヶ月間は+500円/月
通常は+700円/月
「通話定額」オプション
旧カケホに相当
何時間でも何回でもかけ放題+1,700円/月

テザリング&データ繰り越しはできる?

新auピタットプランNの料金

「月々1980円~」の条件は?

上でも少し述べましたが、auの公式ページや広告などで書かれている「月々1980円~」というのは割引が適用された価格。ではどういう条件下で実現するのか詳しく見ていきましょう。

データ容量ごとの料金
出典:新auピタットプラン|au

まず最初に注意点として、これは機種代金を含まない金額になります。そのためauで機種を購入する場合には実現しない金額なのです。

実現するためには、今まで使っていた機種(代金支払済)を引き続き利用するか、中古販売店などで別途購入した機種を持ち込んで契約する必要があるということ。

さらに下記の割引キャンペーンを適用する必要があります。

auの公式ページに記載の1人あたり1,980円~という価格は、「家族割プラス」(後述)を適用した価格。本来の料金は2,980円~(税抜)となりますのでご注意を。

さらに1~4GBが2,980円4~7GBが4,480円となっていますが、これにはネット回線との同時契約で割引となる「auスマートバリュー」も追加で適用されています。

詳しくは「月々1980円~」の料金の内訳をご覧下さい。

新auピタットプランN料金表

新auピタットプランの料金になります。

新auピタットプランの料金(通話プラン・データ容量別)
通話オプション利用データ量通常料金
※表示は全て税抜き
オプションなし
30秒につき20円2年契約加入時
0~1GB2,980円
1GB~4GB4,480円
4GB~7GB5,980円
通話定額ライトオプション
5分以内の通話かけ放題2年契約加入時
0~1GB3,480円
1GB~4GB4,980円
4GB~7GB6,480円
通話定額オプション
通話かけ放題2年契約加入時
0~1GB4,680円
1GB~4GB6,180円
4GB~7GB7,680円

注意しておいて欲しいのが、上記の料金は「2年契約」に加入した場合の料金だということ。

2年契約とは

2年契約(旧名:誰でも割)は、簡単に言うと「auで2年間使います!」という契約。

別名「2年縛り」といわれるもので、契約して「2年以内または3年目以降の更新月以外に解約」した場合は契約解除料、つまり違約金9,500円の支払いが課せられます。

その代わりに、加入すると通話料から毎月1,500円の割引があります。つまり2年契約に加入しない場合は上記の金額より1,500円高くなるということですね。

auショップなどでの契約時には当然のごとく加入を勧められます。加入したほうが安くなるので、実際多くのユーザーが加入しているかと思います。

新auピタットプランの注意点

毎月割は適用されない

auでスマホ・携帯電話を購入する際に端末代金から割引を受けられるサービスが「毎月割」です。しかし、ピタットプランに加入する場合はこのサービスを受けることが出来ません。

毎月割について

auで機種を購入することで、最大2年間割引を受けられるサービス。割引額は24回に分割され、毎月小出しに割引されます。契約を2年間継続すると割引を全額受けられます。

例えば本体価格が90,000円の機種があり、毎月割をフルに受けた場合は最大約70%ほどの割引となり、実質27,000円で購入できる計算です。(割引率は機種により異なる)

この毎月割は新プランで廃止されました。当然ピタットプランに加入した場合も適用不可。そうなると機種代金の負担が大きくなってしまいます。。

負担を減らす方法として、この下で述べる割引サービス「アップグレードプログラムEX」を利用するというのもひとつの手です。

ガラケーは対象外

ピタット(フラット)プランはスマホ(4G LTE)を利用する方が対象。二つ折りタイプのケータイ(いわゆるガラケー)での加入はできません。

スマホ応援割の対象外

スマホ応援割はリニューアル前の「auピタットプラン」の場合は対象となっていましたが、リニューアル後の「新auピタットプラン」は対象外となっています。

従来プランと新プランの料金比較

それでは通信量(GB)ごとの料金を従来プラン(データ定額)と比較してみましょう。

データ定額VS新auピタットプラン

プラン料金の比較

5分以内通話定額で比較
プラン通話料LTE NETプラン料金の合計
※表示は全て税込
データ定額1GB:2,900円スーパーカケホ1,700円
2年契約加入
300円1GBで4,900円
データ定額3GB:4,200円3GBで6,200円
データ定額5GB:5,000円5GBで7,000円
データ定額20GB:6,000円20GBで8,000円
データ定額30GB:8,000円20GBで10,000円
新auピタットプラン通話定額ライトオプション料500円
2年契約加入
込み0GB~1GB:3,480円
1GB~4GB:4,980円
4GB~7GB:6,480円

通話定額ライトオプションはキャンペーンのため安くなっています。12ヶ月後に200円アップします。

「プラン料金だけ」ならデータ定額に比べて低価格

上の表からも分かるとおり、GBあたりの料金は新auピタットプランのほうが安め。およそ3割ほど安くなっていますね。

ただし機種をauで購入した場合には、絶対に安い!とは言えなくなります。。

機種代金を含めると・・

新auピタットプランに加入すると端末購入による値引、つまり「毎月割」が受けられません。

つまり、購入する端末の価格が毎月の料金にダイレクトに響いてくる。ということ。

購入する端末にもよりますが、機種の購入代金を含めた場合は「毎月割」が使えないことで、データ定額と変わらないか、高くなる場合が多いようです。

新プランのメリットは?

機種を購入した場合は従来に比べてお得感が少なく感じるでしょう。とはいえ、やはりピタットプランを選択する最大のメリットは、

  • プラン料金単体なら安い。機種持ち込みでの加入はメリットが高い
  • どれだけデータを利用しても7GBまでは速度制限されないという安心感
  • 毎月のデータ利用量に幅がある場合は「使った分だけ」なので無駄がない

といった点にあるのではないでしょうか?

機種代金の負担を減らす方法として「アップグレードプログラムEX」を利用するという手段もあります。

家族で割引「家族割プラス」

auの家族割プラスは、同住所の家族同士「家族割プラス」グループに加入すれば、そのグループ内の新プラン加入者に対して割引が適用されます。

ただし割引額はグループ内のカウント対象プランに加入している人数によって決まります。

分かりにくいと思いますので、図で説明しますね。

au「家族割プラス」の割引イメージ図

上図の場合、家族3人全員が「カウント対象」のプランに加入しているため、グループの回線数は3回線。その中で割引を受けられるのは「割引対象」のプランに加入のメンバーのみ。

上図でいうと父と母が割引を受けることができますね。

そしてその割引額はグループの回線数に応じて決まります。3回線以上の場合は毎月1,000円の割引が永年受けられます。(2回線の場合は500円の割引)

新auピタットプランなら、カウント・割引両方の対象となります。

家族割プラスの提供は2019年10月

提供開始は10月なので急いで加入する必要はありません。提供開始まで「家族割プラス スタートキャンペーン」により未加入の場合でも同様の割引が受けられます。

その他の対象キャンペーン

キャンペーン

家族割プラス スタートキャンペーン

新auピタットプランに加入するだけで、割引を受けられるキャンペーン。家族割プラスが始まる2019年9月30日までの間、自動で1,000円の割引が適用されます。

特筆すべきは、新auピタットプランの加入者全員が割引を受けられるという点。つまり「家族割プラス」に未加入でも割引の対象になるということです。

申し込みは不要で、割引は2019年9月30日までの利用分に適用されます。

auフラットプラン7プラス・auデータMAXプランも対象となります。

初スマホ割

初スマホ割出典:初スマホ割

初スマホ割は「初めてスマホを持つ方」が対象の割引キャンペーン。例えばガラケーからスマホへMNP・機種変更する場合やauで新規契約(18歳以下)の場合に適用されます。

割引は機種代金から割引されますが、購入する機種はau指定のものでないとなりません。(最新機種は対象とならないようです)

アップグレードプログラムEX

アップグレードプログラムEX出典:アップグレードプログラムEX

アップグレードプログラムEXを適用すると機種代金の分割払いが通常の24回から48回になり、ひと月あたりの機種代を減らすことが可能。

そして25ヶ月目以降に機種変更すると、残りの機種代は全額免除されます。ただし免除の条件として、端末の返却が必要なのでご注意を。

加入にはプログラム料(390円/月)がかかります。

au公式ページ:アップグレードプログラムEX

auスマートバリュー

auスマートバリュー出典:auスマートバリュー

auスマートバリューは「auひかり」などの自宅のネット回線と携帯電話契約を同時に契約することで割引を受けられるキャンペーンです。

新auピタットプラン加入時は、1GB超の利用に限り500円/月の割引となります。

au公式ページ:auスマートバリュー

機種の「持ち込み」は可能?

auへ新規契約する場合などは、auショップなどで機種を購入しなくても新auピタットプランに加入することが可能です。

auに新規契約、もしくはMNPする方

中古携帯ショップなどで購入した機種(auの白ロムやSIMフリー端末など)を持ち込んで「ピタットプラン」に契約できます。

端末を持ち込んでの新規契約でも「新auピタットプラン/auフラットプラン/auデータMAXプラン(2019年夏受付開始予定)」にご加入いただけます。

現在auを利用中の方

auで2017年7月14日以降に機種を購入した場合、auで機種を購入せずに新auピタットプランへ加入することは不可能のようです。つまり機種を持ち込んでのプラン変更は不可ということに。

2017年7月14日以降に機種購入した方は、それ以降、機種購入を伴わない「新auピタットプラン/auピタットプラン/auピタットプラン(s)/auフラットプラン/auデータMAXプラン」とその他料金プラン間の変更はできません。

逆に2017年7月13日以前の契約のままの方は持ち込みプラン変更が可能となるようです。

ピタットプランはどんな人向き?

先に言ってしまうと、「新auピタットプラン」はライトユーザー向け。具体的には「月々の通信量が4GB未満」が目安となります。

公式より:毎月のデータ通信量が「4GB」を超えることがほとんどないという方におすすめの料金プランです。

なぜかというと、4GBを超えた場合は「auフラットプラン20」のほうが安くなるから。

他にも、通常は4GB未満の利用で、まれに5GB以上使う。といったデータ利用量にばらつきがある方も従来よりお得になるかと思います。

使った分だけの料金なので無駄がなくなり、トータルの維持費を抑えることができるはず。

さらに下記のケースの場合、より料金を抑えられる可能性が高いです。

  • 機種を購入せずに持ち込みで加入する場合
  • 毎月割が受けられない(または割引額が少ない)方がプラン変更で加入する場合

料金シミュレーション

それでは「新auピタットプラン」加入時の月額料金をシミュレーションしてみましょう。

様々なシチュエーション別の料金例を試算しています。

1.標準料金(機種購入あり)

iPhone XRを分割24回で購入・通話定額なし(30秒20円)の料金例。

月額料金表(料金は全て税込み)
(税込)6,238~9,478円
新auピタットプラン
通話料+通信料+LTE NET
2年契約加入時
0~1GB:3,218円
1~4GB:4,838円
4~7GB:6,458円
機種代金
iPhone XR(64GB)
総額98,400円
24回払:4,100円
家族割プラス スタートキャンペーン9月末利用分まで:-1,080円

2.標準料金(機種購入なし)

月々1,980円~(税込2,138円)が可能な料金例です。

機種を持ち込み通話定額なし(30秒20円)の料金例。

月額料金表(料金は全て税込み)
(税込)2,138~5,378円
新auピタットプラン
通話料+通信料+LTE NET
2年契約加入時
0~1GB:3,218円
1~4GB:4,838円
4~7GB:6,458円
機種代金
持ち込み:0円
家族割プラス スタートキャンペーン9月末利用分まで:-1,080円

さらにauスマートバリューを適用すれば1GB超~7GBの利用分に割引が適用されます。

3.アップグレードプログラムEX利用

アップグレードプログラムEXを利用しiPhone XRを分割48回で購入・通話定額なし(30秒20円)の料金例。

月額料金表(料金は全て税込み)
(税込)4,578~7,818円
新auピタットプラン
通話料+通信料+LTE NET
2年契約加入時
0~1GB:3,218円
1~4GB:4,838円
4~7GB:6,458円
アップグレードプログラムEX
プログラム料:390円
機種代金
iPhone XR(64GB)
総額98,400円
48回払:2,050円
25ヶ月目の機種変更で残金免除
家族割プラス スタートキャンペーン9月末利用分まで:-1,080円

4.割引をフル適用(機種購入あり)

初スマホ割は、ガラケーから移行の方が対象。iPhone XRは初スマホ割の対象機種とならないため、iPhone 7で試算。

初スマホ割・auスマートバリュー・アップグレードプログラムEXを利用しiPhone XRを分割48回で購入・通話定額なし(30秒20円)の料金例。

月額料金表(料金は全て税込み)
(税込)3,443~6,143円
新auピタットプラン
通話料+通信料+LTE NET
2年契約加入時
0~1GB:3,218円
1~4GB:4,838円
4~7GB:6,458円
アップグレードプログラムEX
プログラム料:390円
機種代金
iPhone 7(128GB)
総額76,320円
初スマホ割で43,920円
48回払:915円
25ヶ月目の機種変更で残金免除
家族割プラス スタートキャンペーン9月末利用分まで:-1,080円
auスマートバリュー1~7GBの利用分のみ:-540円

最後に

いかがだったでしょうか?

機種を購入する場合などはむしろ従来プラン(データ定額)のほうがお得ですが、プラン料金だけで見ると新auピタットプランは従来に比べて安めに設定されているようです。

しかも月々の通信量にムラがある方にとっては「使った分だけ」の料金は魅力的。また機種を持ち込んで契約したいという場合には断然オススメのプランであると言えるでしょう。

それではまた!

こちらも参考に!auの料金のしくみを分かりやすく解説しています。